ゴン吉

座頭市地獄旅のゴン吉のレビュー・感想・評価

座頭市地獄旅(1965年製作の映画)
4.0
盲目ながらも居合斬りの達人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」シリーズの第12弾。
勝新太郎が主演、岩崎加根子がヒロインを演じ、成田三樹夫、藤岡琢也、山本学、林千鶴らが共演。
音楽は伊福部昭。

盲目の渡世人である座頭市(勝新太郎)は、前作で初めて下総で海をみた。本作では下総の館山から船に乗り、太平洋航路で三浦崎を経て藤沢・江の島に着く。座頭市は船で知り合った浪人・十文字糺(成田三樹夫)と馬が合い、将棋を言葉で指し合う仲となる。一方、江ノ島では船旅中に座頭市に博打で負けた渡世人が仲間を連れて復讐しに来る。そこに通りかかった流しの芸者に連れられた幼子が騒動のとばっちりを受けて足に怪我を負い、それが原因で破傷風になってしまう。座頭市は五両もする南蛮渡来の破傷風薬・透頂香を買って子供に与え、箱根で湯治することに。湯治場で父親の敵討ちの相手を探す兄妹(山本学、林千鶴)と出会うが.....     

勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇。
今回の舞台は江ノ島・藤沢宿と箱根の湯治場。
ヒロインは岩崎加根子が演じる子供を連れた流れ芸者のおたね。
悪役は江島屋のやくざ。
ライバルは成田三樹夫が演じる浪人・十文字糺で、将棋が強くてニヒルでクール。座頭市とは互いに剣の実力を認め合う将棋友達となり、「好きになった相手は斬らんよ 斬っちまうと この世の中で折角好きになった相手が居なくなっちまうもんな」と言わしめるほどの仲。
とは言えクライマックスでは座頭市と十文字糺が言葉将棋を指しながら相手との間合いを探り合い、居合斬りを魅せてくれる。 
ラストは盲目の目で箱根の峠から富士山に向かって旅を続ける座頭市が哀愁深い。

2024.3 BS12で鑑賞
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