座頭市地獄旅の作品情報・感想・評価

座頭市地獄旅1965年製作の映画)

製作国:

上映時間:87分

ジャンル:

3.9

「座頭市地獄旅」に投稿された感想・評価

みら

みらの感想・評価

4.3
お金を無くす→得る。薬を無くす(間に落とすがある)→薬を見つける。

障子越しの緊張感が半端ない
Catman

Catmanの感想・評価

4.0
原点回帰を果たした名作と評されるシリーズ12作目。座頭市に対しては期待が高い分だけ辛口になってしまうのですが、本作は大傑作である1作目を意識させる作りなので余計に物足りなく感じられる部分もあります。並行して進められる3つの物語を90分弱に落とし込むのはちょっと厳しくて、それよりも軸となる浪人との関係性をもっと掘り下げて欲しかった。よってクライマックスの殺陣も、キレはあるんだけど些か淡白に感じます。十文字の存在感は平手造酒の凄味と殺気には及ばず…。成田三樹夫のニヒルなムードとルックスは雰囲気充分なだけに惜しい。善は急げ、悪も急げ。

今回のヒロイン、お種の岩崎加根子(一発変換した!)はイイですね。他の作品に登場する妙齢の美人女優とは違った生活感&熟女感があるので市への告白にも色気とリアリティが漂います。市にはロマンチックな恋愛よりこっちの方がずっと似合うと思う。自分は市と子供を絡める感傷的な演出は好きじゃないんだけど、子役の芝居が抜群に上手いなとぁ感心していたら、なんと幼い頃の藤山直美でした。凄ぇ。そのほか登場するキャラは下っ端までそれぞれに魅力があって、色々出てくる割に全体が取っ散らかっていないのはお見事。ハイライトは市が薬箱を失くしてしまって必死に探し回るシーンかな。三隈監督の演出は安定感あって流石です。
シリーズ第十二作。三隅研次が監督すると市の人間味あふれる部分が前面に出されるので嬉しい。いつもは上手くいく賭場での超人芸に失敗しちゃってめちゃめちゃ悔しがる市なんて初めてで、でもなんだか安心もする。一方ライバル浪人成田三樹夫も最高で、市を気に入りながらも一触即発な雰囲気になったり、「善は急げ悪も急げ」なんて軽口を叩いたり。殺陣も綺麗だった。
成田三樹夫演じる十文字が1作目の平手造酒のような役どころ
市と将棋を指すシーン、障子1枚隔ててお互い殺気立つシーン、ラストバトル(一瞬)全て素晴らしい
他にも少女のための薬を市が必死に探し回るシーンはめっちゃ応援してしまった、「市、右ー!」って感じで。
凄腕の浪人や多勢のやくざとの殺し合いよりも、
落とした薬箱を探すことに焦り苦しむ市の姿がベストシーン。

ゲストの成田三樹夫はいつもより怪人ぶりが減っているようで寂しい。
ギラついた凄みは良いんだけどね。
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

シリーズで度々登場する「座頭市と相対する浪人」の役割を担う十文字が役者の存在感も相俟って良いキャラをしている。将棋好きの飄々とした浪人である彼の正体が少しずつ明らかになって、そして終盤の対局から一瞬の決闘に移行する流れが渋い。座頭市が自分のせいで怪我をしてしまった子供のために奔走するのも人情に満ちてて好き。第一作目~三作目に登場した「おたねさん」を引き合いに出して、自分の業の深さを端的に語る座頭市の姿も実に哀愁あって良い。
それまでの作品に比べると、登場人物が多い。ともすれば消化不良な映画になりかねないが、87分に見事に収まっている。
大勢いる登場人物の中でも、やはり魅力的なのは仇役。本作に登場する十文字糺は、成田三樹夫が演じる事によって完成する。
あの目力とドスの利いた声によって、殺気が表れる。

ただ勝新VS 成田三樹夫の殺陣は少ない。
2回目。エア将棋の緊張感がぱない!しかし私の盤はトラッキングが酷く、研磨決定です。
江の島まで船旅をする市(勝新太郎)は好きな賭博を船内でも興じた。
まんまと大儲けした市は負けたヤクザ者に命を狙われるが返り討ちに。
無類の将棋好きな浪人・十文字糺(成田三樹夫)と知り合い、船内で将棋に興じる市だった。
江の島到着後、賭博で負けたヤクザ者の親分に呼び出された市だがそこでも返り討ちに。
しかしその騒動の際に小さな娘を怪我させてしまい、さらに破傷風になってしまった・・・。

勝新太郎劇場版シリーズ12作目。
初期作のように最初仲が良かった相手が最後に敵になるパターン。
成田三樹夫演じる十文字糺との斬り合いがクライマックスになる。
この成田三樹夫の殺気がかっこいい!
将棋の勝ち負けで人を殺してしまったという理由はひっくり返りそうですが、この殺気漂うキャラならやりかねないとミョーに納得してしまう(笑)

市が破傷風にさせてしまった娘の為に必死になる姿も感傷的にさせられます。
シリーズ12作目。前作まで数作続いたマンネリズムから見事に脱却。ただし、「魅力的で強くて最終的には敵対するが互いに親近感を覚えているライバル」が登場するなど、フォーマットは第1作を踏襲。そして、そのライバル(成田三樹夫)のキャラが魅力的であることに加え、仲良さげなのに互いに腹を探り合う等といった市とライバルとの絶妙な距離感が素晴らしい。さらに、平行する3つのテンションの異なるエピソード(虚無感漂う市とライバルの話、人情感漂う敵討ち話、恋愛感漂う旅芸人の話)の絡まり方が見事。しかも、ラストの斬り合いのクールなこと!
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