映像はすごい。色々な物質の質感、たとえば鳥の羽や鋼、猿の毛、生魚などが伝わるのは、ストップモーションならでは、なのかもしれない。
三味線で折り紙を折る能力みたいな発想は日本人には難しいので、その発想には恐れ入ったのだが…やはりどうしても、日本由来のもの全般の描き方に馴染めなかった。三味線が非常に繊細な楽器だと知る身としては、あの楽器を背負ったり地べたに置いたりすることの違和感とか、西洋音階の曲を奏でたりするところなんかも楽しめず。
これは日本じゃないと暗示をかけてみたが、クボとかハンゾウという名前や、神社、浮世絵みたいな風景で日本がモチーフなんだと気付いてしまい、集中できぬまま終わった。それでも、この映画の凄さを知るために最後まで鑑賞した方が良い。
