2017年の最後に、この映画に出会えて良かった。
ものがたりというものの力。
記憶とアイデンティティ。
死者と生者の世界を往き来するということ。
世界は目に見えるものだけで出来ているのではない、ということ。
今年はこんな問いかけが含まれる映画が数多く印象に残ったが、この映画が決定打になった。
テーマもストーリーもシンプルで強い。
無償で無限の、親の愛。
未来を変えるほどに強い、子の愛。
ストップモーションアニメという、凄まじく時間と手間のかかる手法で何故?と、観る前は思ったが、映画の世界に没入すると、キャラクターたちがまさに生きて動いていて、表情の端々に感情が、魂が宿る。子どもの頃絵本や人形劇の世界に心を奪われたときのような感覚が再来した。これ以上にこの世界観を表現する手法は無い、と納得した。
二本の弦にまつわる、エンドロールの最後のメッセージに、再度涙腺が緩んだ。