ヴぇる

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のヴぇるのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
3.1
LAIKA製作の4作品目であり、2部門でオスカーにノミネートされている。興行収入ではLAIKA作品の中で唯一1億ドルに手が届かず(4作品は全て制作費が6000万ドル)7700万ドルでフィニッシュした。黒字にはなったが、過去作に比べると大ヒットとはならなかった作品だ。

この会社のストップモーションは過去作でも完璧なモーションの中にたまに出る拙い動きが逆に魅力に映る事がある。今作でもそれは健在であり暖かみがあった。

ただ、導入は余り上手くはない。この会社の作品はその傾向が強くシックな雰囲気で進行するため仕方がないとも言えるが。
だが、他作品と同じく後半の盛り上がりは素晴らしく、悪役の姉妹は中々なヴィランズでアクションにも磨きがかかっていた。
さらに、照明は明らかに進化しており、日本への考察は大したもので、中国の状況を日本に見せたりする映画があるが、これには全くそんなに点はなく、素晴らしい。

しかし、最後まで疑問だったが日本の要素を入れる必要があったか?と感じてしまう。神話に基づいたり、設定を練った結果日本にしようとなった訳ではなく、企画段階から既に決まって居たように感じる。
さらに言えば、アクションシーンは本当に素晴らしいが、決着のシーンでは何度かCGIに頼ったりしていたのも気になったし、ラストの祖父は姉妹に比べて力強さを感じられずイマイチなラストであった。

総評としては、日本を舞台にした結果スコアが伸びている様な気も若干する。過去3作に比べてストーリーに見劣りも見えるが、まぁ映像作品としての質は相変わらずキープされており、ライカのファンなら抑えておきたい1作だろう。
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