「ホームレス ニューヨークと寝た男」という映画を観た。
本作はニューヨークで暮らすフォトグラファー(マークレイ)の生活を追ったドキュメンタリー映画だ。
彼には家が無い。
けれど、家以外の多くのものを持っているように見えた。
家があって何も無い人か、家は無くとも多くを持っている人。
どちらが魅力的かと聞かれれば、僕は後者だと答える。
世間的には間違った生き方かもしれない。
家が無いことで同情もされるだろう。
しかし、死んでいるような顔をして毎日仕事をして家と職場の往復をしている人間を僕は多く知っている。
彼らと比べれば、マークレイは遥かに素敵で充実した生活を送っていると思う。
華々しい世界でモデルの写真を撮り、美しい女性と過ごす彼を羨ましく思う人も多い筈だ。
彼は時に自分を否定し、時に肯定した。
人間は矛盾しながら生きていく生き物だ。
たしかに、こんな筈じゃなかったと思うこともあるかもしれない。
それでも彼の言う通り「この人生も中々のものだ。」
誰の人生だってそうだ。
彼が言うには、ヘトヘトに疲れて戻ってくるのがコツだそうだ。
「眠れないと余計なことを考え始める。」
この台詞に強く共感した。
こんな時だからこそ、ヘトヘトに疲れるまで自分の好きなことやしたいことをするべきなのかもしれない。