えいがドゥロヴァウ

神様メールのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
4.5
ツボにズッポシのゾッコンです
僕の中の乙女心も空一面の花柄模様
そう、自分の中に乙女を発見してしまいましたよ
あらまぁ

ジャン=ピエール・ジュネの『ミックマック』でも味わった宝箱を見つけたような感覚と再会できました
心地よいファンタジー感覚とビタースイートで軽妙な語り口

性悪な神様が考案する「普遍的な不快の法則」や
神様の娘エアが世界中に送信した余命宣告を受けての人々の行動、その悲喜劇
家出をしたエアと彼女が選んだ6人の使徒(選考基準なし)との出会い
それぞれの使徒を象徴する音楽
彼ら彼女らとともに作り上げる「新・新約聖書」
ヨランド・モローが演じるオットリとした女神(無論、神様の奥さんでエアとその兄イエス・キリストの母親)
ちょっとした奇跡と大きな奇跡
ゴリラと愛し合うカトリーヌ・ドヌーヴ(何をやっているの)…
そしてエアの使徒たちも加わった「最後の晩餐」の絵画
劇中音楽も映像も
情感も喜びも
この映画を形作るあらゆる要素が愛おしくなってしまいました
好きになるとトコトン惚れる
欽ちゃんの仮装大賞で例えたら
合格ラインを超えると一気にギューンと点数が加わる感じ

監督はベルギーのジャコ・ヴァン・ドルマル
『ミスター・ノーバディ』で発想の奇抜さもさることながら
それを伝えるストーリーテリングの技術に非常に長けた異才という印象を受けましたが
本作はそれらに加えて生きることが軽やかになるような陽のエネルギーを湛えた傑作です