淡々とした昔ながらの日本映画が久々に見れたような気がする、、、
僕自身の人生、団地暮らしでもなければ思い入れのある公園の遊具なんてモノもないけれど、この映画はどこか懐かしさが感じられる庶民派のノスタルジックな不思議な作品。
実際に、劇中にでてくる物語のキーパーソンとなる団地は是枝監督が実際に住んでいた団地で撮影が行われており、これもまた監督の思いが人一倍強い演出の影響であろう・・・
また、セリフのひとつひとつが生きる名言で、随所に生活の知恵だったり、庶民派あるあるネタ、そして人生のノウハウが所狭しと描かれている。
多くの日本人がこの映画を見て涙したり、笑えたりするのは間違いないだろう。
・台風の夜に、どうしようもない息子に対して母親が呟くセリフ〝幸せって何かを諦めないと手にできないモノ〟
・晴れた日の小さなベランダで母親が息子に大切な植木鉢について語るセリフ〝花も実もつかないんだけど、何かの役には立ってる〟
母親にとって息子とは永遠に人生の教え子であり、息子にとって母親とは何歳になっても弱音を吐ける唯一無二の存在だと思う。
だからこそこの映画は庶民的な作品に仕上がったのだと思う。
カット一つ一つがどれも身近に感じる作品で、悩める多くの日本人が今こそ見るべき日本映画！
