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海よりもまだ深くの斜線のレビュー・感想・評価

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)
4.5

すげえ
ここまで日常をやっている映画は他にそんな見たときない。特に冒頭の母娘の会話なんて神懸かった自然さ。うちのおばあちゃん家で聞いたことあるような会話。なのに面白い。
こういう、余白をとことん楽しむ日本的な価値観をポップに仕上げられたのはひとえにあれがあれだからだよね。

追記/見終わってからじんわりと、森見登美彦氏の「おおかみこどもの雨と雪」評を思い出す。
「映画館に登美彦氏はコップを一つ持っていった。映画が進むにつれ、一滴一滴と水がまっすぐコップに向かって落ちてくる。
じゃばじゃば水を注ぎがちな昨今、こんな様子で水は溜まるのだろうか。
しかし、ふとコップを見ると、もう表面いっぱいギリギリまで水が溜まっているではないか。
危ない。と、登美彦氏がおろおろしていると、
しっかりと握ったコップの縁から、
ポロリと水がこぼれ落ちた。」
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