黒田隆憲

好きにならずにいられないの黒田隆憲のネタバレレビュー・内容・結末

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アイスランド映画。空港の荷物係に勤務する43歳の独身、親と同居、ルックスも残念な何者でもない男フーシが、ダンス教室で出会ったゴミ回収の仕事に就く女性シェヴンに恋し、鬱を患った彼女を献身的にサポートする話。メンヘラ女に振り回されながらも殆ど自己犠牲の精神で尽くす男……という構図はちょっと『ベティブルー』を思い出してしまった。クライマックス、花屋を営みたいという彼女の夢を叶えるために、空き店舗を買い取り内装まで自分で行って、その店の鍵を彼女の家のポストへ投函。そのままフーシは、自分の夢だったエジプト旅行へと旅立ちエンディングを迎える。帰国後、彼女との恋の行方はどうなるのだろう。あまり幸せな展開は期待できないけど、何に対しても無気力かつ奥手だったフーシが、料理も上達し仕事仲間と飲みにも行って、最後は海外旅行まで実行するのだから、少なくとも彼の人生は恋によって大きく動き出したのだと思う。一方、一度はフーシを受け入れるも、「やっぱり無理」となって同居を拒むシェヴンの行動、Filmarksのレビュー読んだら散々な言われようだったけど、結構そういうシチュエーションってあるあるじゃないでしょうか(笑)。それよりもフーシですよ。確かに悪い奴じゃないけど、年端もいかぬ近所の女の子を、いくら育児放棄された不憫な子とはいえ、いくら彼女の方から「遊んで」って言ってきたとは言え、保護者の許可なく家に連れ込んだりドライブに連れ出したりするなんて、それで警察の厄介になるに至っては(あたりまえだ)「不器用」とか以前の問題。せめて自分とこの母親を同伴させろよ。そのシーンで割と致命的に冷めてしまった。
黒田隆憲

黒田隆憲