おとうちゃん

ある戦争のおとうちゃんのレビュー・感想・評価

ある戦争(2015年製作の映画)
3.5
後味の悪いハッピーエンド!

アフガン紛争地域...一人の兵士の命を守る為に奪われた民間人の命。 決断せざるを得なかった男の葛藤、その家族の絆を描いた戦争法廷ヒューマンドラマ。 果たして彼は英雄⁉...それとも犯罪者⁉

国民幸福度世界一のデンマーク。
銃撃の中、道徳と命を天秤にかける判断を瞬時に迫られた男の葛藤とジレンマ。

事件は戦場で起きている!

前半が戦場、後半が裁判と はっきり分かれた構成になっており、この主人公は二つの「ある戦争」を体験しながら それぞれ辛い選択を迫られる。

道徳よりも重い物を背負い、国と命を守っているのに、裁判では その道徳のみを問われ犯罪者扱い。

戦場では道徳と命、裁判では道徳と家族...優先して守るべきものは何なのか!?
二つの葛藤をリアルに描いている。

劣悪で緊迫した状況で命をかけ体を張っている戦場での出来事を安全な場所で傍観している人達が裁くことへの矛盾と いきどおり。
ましては、それをコーヒーを飲みながらソファーに寛いで画面で観ている、戦争を知らない私めごときが是非を問うことは おこがましい。

ハリウッドには作れない...世界一幸せの国デンマークならではのリアリティーあるギャップと矛盾。

戦争において、正しさを問うことの虚しさが心に突き刺さる。