この生は見えぬものに囲われ、触れえぬものを包んでいる。
微かなものたち、微(生)物としての死んだものたちを。
まだ死んでいない者は、生かされ・生き残り・生き続けている者たち。
死というものが生から与えられた名付けでしかないことを、生に囲われ、包まれてしまった死者のあり様・佇み方によって、ほぼ間接的に照らし出す。
修正的な追記(五年ぶりに)
憑依という憑依的演技こそがシラフになっていく様子に感得するものがある。人間の涙腺を刺激する、不在性(死者や霊魂)の現在的侵略を可笑しなことや不思議なことにしない手立てが確かにある。