このレビューはネタバレを含みます
【個人記録用】
キャラクターの生い立ちや、置かれている状況など特に説明もなく、ダンケルクの戦況の説明だけで始まる冒頭が良い。
頭を守りながら周囲の様子をうかがう連合軍兵士たちと街中に舞う降伏勧告のビラ。
冒頭で航空機がビラを撒いているシーンをあえて映さないというこのセンスにやっぱり惹かれてしまう。
映画の中にポイッと放り込まれて、わけもわからず混乱しながらストーリーへと没入出来る感覚が心地良い。
全体の物語も、3つのストーリーをそれぞれ違う時間軸で展開していく作風で、物語が進むごとに段々とそれぞれのキャラクターの状況を理解していき、フィナーレすべての点が線でつながるカタルシスを味わえる。
カットの臨場感や映像の色合いや、空襲のシーンでの不穏で迫力のある音楽からラストシーンの壮大な音楽は流石のクリストファー・ノーランといった感じ。
個人的には上空から急降下してくる爆撃機の音と、それに対して身をかがめる兵士たちの映像の絶望感が印象的。
燃料が尽きても海岸を守りきった後、独軍に捕縛される直前の、燃え上がる愛機を見つめるトム・ハーディの顔も忘れられない。