ダニー

ダンケルクのダニーのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.5
観る度に自分の中でスコアが上がっていってる気がする
普通に観ても十分だけど4Dだともうシアターが戦場だった
燃える海まで再現されててもはや怖かった
最初から最後まで『間に合え!!』と念じ続けた映画他にない
余裕があるのなら是非通常版、良音響、4Dの3パターンで観てほしい

防波堤(1週間)、海(1日)、空(1時間)、3つの戦場で違う時間の尺度で物語が進んでいく中、段々一点に集中していく様がおもしろい
ただ1回観ただけでは分かりづらいかも?

撤退戦だから何かに勝ったとかこれだけの戦績をあげたとか無く、ただただ生きて帰っただけ
でもそれだけで本当に十分なんだよね
これまでの2回はただただ迫力に圧倒されて漠然と「すごい」って思って終わりだったけど、今回は可能な限りでそれぞれの兵士たちの個を見ていった

陸組は何度も助けの手を掴んでは戦場に投げられの繰り返し
どうやったら生き残れるかなんて明確なものが無い
生きる為に咄嗟に繋いだ友情が後々までちゃんと活きているのが熱い

ファリアはコリンズさんが戦線離脱した後どんな気持ちで戦っていたんだろうか
隊長機が撃墜され自分の機体の燃料計も壊れた中でどれだけ持つかのプレッシャーを抱えて1人で戦わなければならない
そして自軍のために帰投用の燃料も使い切ってダンケルクまで飛び続ける選択がまた信念を感じられて好きになった

そして海での悲劇
ジョージについて、一、二回目の鑑賞では謎の兵士に対して怒りがあったけど、これに関しては誰も悪くないんだよね
あのあと2度も謎の兵士はジョージの安否を確認している
2度目に様子を聞かれたピーターくんの気持ちを思うと辛すぎた
あそこであの受け答えを出来たピーターくん、えらいよ
すごくえらい
ピーターくんの赤いセーターが全体的に色の暗い戦場の景色の中でよく映えて生の象徴のように感じられる

昔の(特に米国の)戦争映画は個に焦点を当てて英雄化するような、主人公の確立している作品のイメージだけど、個人的には最近の「名もなき兵士たち」を描いた戦争映画の方が好き
戦争映画につきもののグロが無いとか美化してるとか言う意見もあるけどこれは戦闘じゃなく「撤退」に焦点を当てたものだし物足りないとか美化されてるとか個人的には思わなかった
ダニー

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