戦争映画なにの不謹慎かもしれませんが、とても映像の美しい作品です。ディティールにこだわった日本アニメを観ているような美しさがあります。しかし物語に関しては、脚本にリアリティを追求しているせいなのか説明不足な感が否めず、史実を知らなければ物語の重大性が伝わってきません。戦争史に残るスケールの大きな重要事件を、リアリティ追求のため個人の視点でミクロ的に描写するあまり、事の全体像が捉え難く、さらに複数の登場人物の視点を通すことで、全体像が見え易くなるどころか、逆に複雑になり過ぎてストレスを感じてしまいます。
何より問題なのは、この作品を通してクリストファー・ノーラン監督が、一体何を伝えたかったのか自分には理解できなかったことです。残念です。
