MASAYA

ダンケルクのMASAYAのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.6
【命懸けの撤退】

ドイツ軍にダンケルクへと追い込まれたイギリス海外派遣軍とフランス軍。40万人の兵士たちは生きて返れるのか...

本作は大きく分けて3人の視点から描かれています。

〈若き兵士トミー〉
陸、海、空どこもかしこも敵ばかりのダンケルク。そんな中決して帰還を諦めない少年。仲間と共に帰る手段を模索する。

〈民間船長〉
船が足りないなか、母国イギリスから救出のために息子と共に船を出し、ダンケルクへと向かう。

〈英空軍パイロット〉
数的不利にも関わらず、果敢に敵機へと挑むパイロット。エンジンが尽きようとも仲間のために戦い続ける。


正直戦争映画ということでだいぶ敬遠していました。それでも監督がクリストファー・ノーランであること、加えて「観客に最高の体験を提供したい」というノーラン監督の希望によって丸の内ピカデリーと愛知・ミッドランドスクエア シネマ限定で35mmでのフィルム上映が行われること。
この2つを考慮するとどうしても初日に観に行きたくなりました。

まず、率直に凄まじい迫力でした。
それはもうその場から逃げたいと思うほどに。通常の戦争映画ならそれがマイナスの方向に傾くことが多いのですが、本作はそれでも観たい!と心から思うことができました。

とりわけ英空軍パイロットのトム・ハーディーの追撃シーンは一番緊迫感がありました。
作品全体を通じた秒針のような音だけでもただでさえハラハラするというのに、エンジンや銃撃の音とブレのある映像が相まってもう手に汗しか握れませんでした。

フィルム上映ということが画質は落ちますし、全体的に粗っぽかったですが、個人的にはそれがまた堪らなかったです!!
例えとしては適切ではないかもしれませんが、タランティーノ監督の『デス・プルーフ』のオープニングを観たときの感覚でした。
とりわけ本作は戦争映画ということもあって、当時の状況を鑑みると本当にこれくらいの視野だったのかもしれないという気になりました。

とりあえず観て後悔はしない作品です。
比較のためにIMAXも観てみたいと思いました。


2017.9.9
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