WWⅡの最中、枢軸国に包囲された人々の様子をありありと描いた作品で、映像の凄さも相まって一気に引き込まれた。鑑賞後、日常に戻るのにいくらかの時間が必要だった。
敵の顔を描かないという戦争映画の原則に加え、セリフではなく息遣いや表情、音響で兵士達の心情が上手く描写されていて、目に見えない恐怖と常に死と隣り合わせの臨場感に震えた。
そもそも僕が、こういった歴史に焦点を当てた映画が好きになったのは、高校の時の世界史の授業がクソほど面白かったことに大きく由来してるのだけど「ダンケルクの戦い」なんて当時使っていた用語集の中でも最も重要度の低い語句だった。きっと全ての日本人が記憶しなかったであろう、その戦いの中に、たくさんの偶然と数えきれない人の死と無数の愛があったことを教えてくれることなんだと思う。
