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ダンケルクのsonokohthnのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ダンケルク見ました、うまいの一言に尽きました。
インターステラーが面白すぎて気絶の勢いだったんですがダンケルクも期待を裏切らない面白さ・・・何よりノーラン監督の映画作りがテクニシャンすぎて開始10分で脳汁ドバドバの勢いです。
巧みな構成はさることながら、徹底して兵士の視点に立つ事で空爆の怖さ、無力感、絶望感、疲労が自分が体験しているように錯覚するレベルです。
生き残るのに必死で卑怯な事も厭わない兵士、戦場に行きたい、それで新聞に載るんだ!と希望を胸に名乗り出る一般市民の青年、Uボートに撃墜され一人生き残った兵士、40万の兵隊を逃がす為に尽力する隊長、戦闘機の兵士・・・
過剰なヒューマンドラマが一切無いにも拘わらず、少ない会話の中からそれぞれの人間がこの戦争の中で何を感じて生きてきたかを滲ませ、戦争の極限の中で人はどう動くのかを描き、立場の違う人々の邂逅から生まれる悲哀。それが映画の特異な構成と合わさって重層的に展開されるのだからたまらない。
CGじゃなくてガチで戦闘機飛ばして実写で撮ったと言う事で、空と海の美しさったらない。
監督の政治的思想の偏りが見られないのもいい。
「一から十まで説明してくれるエンタメ映画」以外見慣れてない人は前準備ちゃんとしてた方がいい。映画の歴史的背景も知ってた方が良いかな。
映画はストーリーよりも文脈・作り方だ!って変態には問答無用でお勧め。
最後にハンスジマーの恐怖的な音楽がうまい。いや個人的に好き。

平和の為にこういう映画を作り、見ることは大変意義があると思うので多大なる讃賞をしたい。

IMAXで鑑賞
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