歯医者のお姉さん

ダンケルクの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
5.0
R4.8.22
見放題に登場していたので再鑑賞!
言いたいことがありすぎて追記:

陸・海・空の三構成という時空操りしノーランらしい反戦映画。台詞は必要最低限で映像と音で魅せる。とにかく臨場感が半端なく海では船酔いしそうだし、うめき声に耳を塞ぎたくなるし、公開当時に映画館で観た時は普通に死ぬかと思った。パニックホラーにヒューマンドラマにサスペンス要素もありただの歴史映画じゃ終わらないよ!っていうところがさすが。最初に触れた通りほんとに必要最低限の凝縮みたいな映画なのでちょっとでも目を離すと置いていかれるというところもノーランらしい(笑) 分かるか分からないかくらいに散りばめられているので特に深読みしたい人向きかもしれない。ピチピチの可愛いイケメン俳優が揃っていて加護欲が湧くし、ベテランの存在感に圧倒される。ベテランの役といえばボルトンさん!きらりと光る左手の薬指…多くは語らないところが漢だよね、かっこいい。マーベル好きさんにはジャービスもいますよ。そして絶対的トムハーディ(笑) ノーランファミリーを発見するのも楽しい。戦争映画でもこういうエンタメ性ってすごく大事だと思う、残酷で悲惨な出来事を沢山の人に観て知ってもらえるだろうから。






















↓ネタバレ有なんか恥ずかしい初期レビュー





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とにかく無駄や隙がなくて、どんどん追い詰められていく、言葉がないのに、音と映像で追い詰められてく…素晴らしいです、天才です、心抉られ甲斐があります!台詞が少ない分発する言葉に重みがある。それにリアリティだった。

映画館で観れて本当によかった、映画館で観るべき映画だった。恐ろしくて、迫力に鳥肌が止まらなかったです。観ていなかったら人生損するところだった!

人について行く形で観ることになったのですが、撤退だけかよ…とか思っていた自分を火炙りの刑にしたいほんとに。撤退"だけ"じゃない、撤退も戦争なのだと思い知ることになった。家に着くまでが遠足みたいな。

全てが素晴らしいのだけど、特に大好きなシーンが。ボルトン海軍中佐が私はここに残る…と言った、後の、左手の薬指に光る指輪…っていう、無駄に台詞で説明しないところが想像掻き立てられるし重くてたまらないです!私の頭の中は、残された奥様が顔を歪める様と、何も知らずに愛らしい笑顔を向けるベビーでいっぱいになりました。戦死は名誉だと言われても哀しみは少しも晴れないでしょうね。なんて残酷で美しい演出なのか!好きです!(※妄想) 男前な心と強い覚悟を見せたボルトン役のケネスブラナーさんベストオブベストでした。「 何が見える? 」の答えも、滲む瞳も、どこから来た?のシーンも全部全部最高。合掌。

あ、あともう一つ言いたい!(笑) 敵と味方が入り混じったり、味方同士なのに敵になってしまったりと、命懸けの駆け引きも切なさとハラハラでどうにかなりそうだったし、始めの方の砂浜での爆撃シーンで一瞬で死者と生残りに分かれたのも壮絶だった(一つじゃないじゃん)。しかもみんなワーともなんとも言わなしい顔色も変えないんだよね、涙も流さないし、ただ黙りこくって震えてる、こんなことが日常と化してしまったのかと思うと…圧巻のシーンでした。あとあともう一つだけ!(笑) 友達を失った船乗りの息子、ラスト敵地へ落ちていくダンケルクのヒーロー、、泣ける、、、(全然あと一つじゃない)

クリストファーノーラン監督は、台詞と映像の使い分けがすごく上手だし、無駄がなくて本当に好き。こんなの見逃してしまうよ…!っていう重要シーンが沢山あって、意地悪だなあと思いつつ作品へのこだわりにとても尊敬します。とことん醜くて、とことん美しかった。

若者もイケメン揃い(笑)です!そういう入り方でもいいと思うので、戦争映画はちょっとな…っていう人にも是非見てほしい大好きな一本。