【聲の劇場】
恩田陸(「蜜蜂と遠雷」)の今年の新刊「灰の劇場」を丁度読んでました。
飛び降り自殺の記事と小説と舞台が入り交じり、現実と架空が混ざり合います。
顔のない人たちや、虚構の世界に生きている実感により、生と死への不安や恐怖を掻き立てらます。
どこか、この映画と重なるものを感じました。
この作品は、とっても残酷ですよね。
いじめられた人の疎外感、いじめた人の罪悪感、傍観した人の無力感を切々と描いています。
傷ついた心は、そんなに簡単に修復されないんでしょう。
この世界に絶望した人の心の声を聞き取れる人でありたいと思います。
そして、周りの人たちの顔、声、色彩を取り戻して頂きたいです。