じゅんふう

映画 聲の形のじゅんふうのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作はマガジンに掲載時話題になった際に読んだかな、という記憶で、小学校時代から先は全く未知の状態で今作を見ました。
大きく感想から言うと、すっごくよかった。ただ、満点をつけるには腑に落ちないところが細かく多かった、あくまで個人的に。
いじめがテーマではないことはわかっているのだけど、どうしてもそこを重視してみてしまうため、消化不良の箇所が多かった。
特に川井さん。植野にも何回かむかついたが、最後の最後和解のような、回収があったから許せはするけれども、川井さんに関しては腹立たしさを感じ、それが最後まで解消されることはなかったです…。
原作を読めばそこは収まるのだろうか…。
あと、側近の真柴くんのエピソードが殆どなく、主人公が「部外者は黙ってろ」って言ったのに対し、まあそうだよなって気持ちになってしまう。
小学校時代の先生も気に入らないけど、まあそういう役回りだと、割り切る。

ざっとあげるとこれだけだが、その分泣かされてしまったシーンも多い。特に硝子の自殺騒動後、ゆづるが写真剥がしながら、死体写真ばっかり撮ってる理由が明かされるところ。硝子母と植野さんが取っ組み合いするところ。最後の文化祭で周りの人の×が剥がれるところ。
キリがないくらい泣いてしまったし、無感情だと思った尚子母が人知れないところで嗚咽上げてるところとか、佐原さんに関するエピソードとか、好きなところもたくさんあります。
妹だと判明した瞬間の永束の反応は思わず笑ってしまったし、全体的に重くなりがちなこの映画のコメディリリーフとして永束が存在していて、それもまた良いバランスだなあと。
何より京都アニメーションの柔らかで繊細なタッチが物語を彩っていて、始まり方とか、OPのけいおんを彷彿とさせるジャンプとか、らしさを出しつつも大衆受けするようになっていて、そこがよかった。
絵が綺麗なので、それだけで無条件で泣いてしまう。
また、硝子の声を担当した早見沙織さんのすごさ。将也の小学生役の声を担当した松岡茉優さん。本当の声優かと勘違いしていました。


痛くもあり、優しくもあり、そして、考えさせられる作品です。
原作も読んでみようと思いました。
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