こまだこま

映画 聲の形のこまだこまのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.6
8月終わりにEテレで放送されていたのを録画し鑑賞。The Whoの"My Generation"から始まり、aikoの"恋をしたのは"で終わる構成が作品の内容ととても合っていて高まった。小学校時代と高校時代を描いているため登場人物が多めであるものの、ひとりひとりが丁寧に描かれていた印象。とくにヒロイン・西宮硝子の妹、西宮結弦のボーイッシュだけれど歳相応の愛らしさを兼ね備えているキャラ設定が良かった。
主人公・石田は小学校のころのいじめっ子時代の後、自身も虐められたり学校で浮いてしまったりという経験をしている。小学校という幼い頃の過ちが贖罪のように高校まで背負われるのはどれほど苦しいことか、フィクションながら胸が痛んだ。
作中にてみんな過去の過ちを誰かのせいにしがちだけれど、どのキャラクターにも光と影、長所と短所がある訳で。罪の擦り付け合いは何の解決にもならず、相手のいい所も悪い所も含め、善し悪しではなく"受容すること"が次のステップに進む最初の一歩なのかもしれないと考えた。
作画ー特に背景の美しさと、サントラに制作側のセンスを感じた。
アニメ内でのデートの行き先が養老天命反転地ってシチュエーションもなかなかないと思う。チョイスが最高。不思議で新感覚を味わえる不思議なところで、とてもおすすめ。
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