アガサ

ウィッチのアガサのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
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ご近所さんと揉めまくり町内会で啖呵を切ったとうちゃんが引っ越しを決意するも、ノープランで僻地にやってきた為、作物は育たないわ獲物は仕留められないわで極貧生活まったなしになってしまうというせつないお話。
合わせて子どもは思春期を迎え不安定になるし、万能なはずの神様は助けてくれないし、山奥に住む野性味あふれるピープルはちょっかい出してくるし、とうちゃん万事休す!


奇しくも、先日観た『エクリプス』と共通するところが多かった。
幼い弟妹の世話、母に代わり押し付けられる家事、そんな中初潮も迎え不安定になる長女。
本作はそこに「親が宗教にドップリ」という要素まで加わるので、長女のストレスは計り知れないものに。

悪魔だの魔女だのといわれるものが生まれる背景には、色々な精神的肉体的抑圧が潜んでいるのだろうなと思うし、禁欲を強いられ協調性を重視され、少しでもルールに背き自分の意思を表そうとすると罰せられるような生活には耐えられる自信がないしわたしも、時代が時代なら魔女と呼ばれコミュニティからはじき出されるのかもしれない。
そして、処刑されるのは勘弁だけど、はじき出されること自体はありがたいかもしれない。

子どもがひどい目に遭う映画はできれば観たくないと思っているので、ちょいちょい停止ボタンに手をかけましたが、完走できてよかったです。
苦しくてしんどくて、最後には不思議なやすらぎを感じる、残酷なまでに美しい映画でした。
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