ジャッキーケン

ウィッチのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.8
観たことのないホラー映画でした。
街から追放された家族に様々な不幸が降りかかるオカルト系?スプラッターでも幽霊でもない宗教が深く絡む未体験のホラー映画です。雰囲気は北欧っぽいです。
「スプリット」でホラークイーンへ上り詰めたアニャテイラージョイの雰囲気と本作の不気味な空気が絶妙にマッチしてます。
終始太陽の光が入ってこない朝4時の朝っぱらみたいな背景が個人的に好みです。

アニャテイラージョイが赤ちゃんをあやしてたら赤ちゃんが何者かに連れ去られてしまうミステリアスな開幕からこの家族が常にマウントパンチされるかのように不幸が降りかかる。その不幸には必ずアニャテイラージョイが関わっていて年の離れた双子には「魔女だ」と言われたりしてそんなバカなと思いつつもだんだん本当に魔女なのでは?と思ってしまうほどアニャテイラージョイは不幸を目の当たりにします。
宗教や悪魔払いを基にした迷信がどんどん現実味を帯びて行く怖さがたまらないですね。

双子がうぜえ。アニャテイラージョイの胸元をチラ見せするカットは悪意ある童貞キラーで弟との危うい姉弟関係を匂わせる。

特別グロいわけではないのに生々しいところはちゃんと気持ち悪いです。
弟が取り憑かれ「エクソシスト」のリンダブレアみたいに狂いながら神と対話するシーンはおぞましい。父親に双子と一緒に閉じ込められ魔女のような何かがいる「そこにいる怖さ」。ホラー映画のステレオタイプに囚われないキャラクターたちでどこにでもあるホラーではない感じが好きですね。そしてホラーとは関係ないですが絵になる絵が次々と出てきます。身長よりも大きい猟銃を持つ弟、とうもろこしを収穫するお父さん、アニャテイラージョイの胸元(またかよ)、おぞましさ満点のお母さんとカラス。本作は実話を基にして作られたのか最後のテロップがヤバすぎて見終わった後からじわじわ恐怖が襲ってくる映画です。