ヨダセアSeaYoda

ウィッチのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
5.0
観た回数:7回
直近の鑑賞:Netflix(20.01.13)
     BD(2020年夏)
     BD(2020年末)
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何度でも観られるダークホラーファンタジーの傑作。個人的に大好き過ぎて、私情も込めて星5.0にしておきたい作品です。
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まとめると…
●見事な疑心暗鬼系脚本
●画面の色合いが独特で見惚れる
●最高に不穏なサントラ
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【STORY:厳格なクリスチャン一家に降り注ぐ不気味な災難】
宗教的理由で森のそばの小屋で孤独な暮らすことになった厳格なキリスト教一家。
まだ赤ん坊のサムが行方不明になったことを発端に、不幸な出来事が連鎖してゆく。

一家に降り注ぐ不幸は、偶然か。神の試練か。それとも魔女や悪魔の呪いなのか。

母親から冷たくされ、生意気な妹達に苛立たされる長女トマシンの辿り着く結末とは…


【見事な疑心暗鬼ストーリー】
不幸が連続する事は勿論ですが、不運ばかりでなく、人間の余計な感情から来る余計な軋轢が、一家をどんどん疑心暗鬼に陥れていきます。
生意気な妹を脅そうと余計な嘘を吐いてしまったり、父の秘密が母と長女に余計な衝突を生んでしまったり、更には厳格に盲信する宗教も絡んで、家族皆の精神が荒んでいきます。
様々な要因が複雑に絡み合い、印象的な結末に向かってゆく、見事な脚本が非常に魅力的です。


【画面の独特の色合い】
非常に独特な色合いの映像も魅力の一つです。
カラーはあるのですが、常にどことなく色褪せたような光景が、絶妙な現実離れ感を演出します。

森とその脇の小屋だけで展開する、映像にあまり変化がない作品ですが、「この作品でしか味わえない空気感」が常にあるため、その光景にも常に惹かれ続けるのだと思います。

どことなく寒色寄りのフィルターがかかったような映像が中心となるため、たまに暖色の映像が出てきた際は、「熱」がひときわ映像から伝わってくるようです。


【不穏すぎるサントラ】
ギィィィィ…
キュォォォォ…
不穏すぎる「最高に最悪な不協和音サントラ」も本作の魅力の一つです。
YouTubeで検索すれば出てきますが、「Nightmare Machine」と呼ばれる特殊な楽器が、様々な気持ち悪いサウンドを奏でます。

ホラー映画では、視覚的には一切怖くないシーンでも、音楽で恐怖を覚える、ということが多々ありますが、今作もその代表の一つでしょう。
ただの「森を引きで撮った映像」ですら、大音量の不協和音のせいで鳥肌が立つ不気味さを帯びます。


【主演のアニャ】
長女トマシンとして数々の試練に振り回されるのは、アニャ・テイラー=ジョイ。

『スプリット』『ミスター・ガラス』で大きく目立ち、
『マローボーン家の掟』や『サラブレッド』が2019年に日本公開になったことも記憶に新しい彼女。
2020年現在もまだ23歳のアニャが、更に若々しい頃の作品としても楽しめます。
ヨダセアSeaYoda

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