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ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのsoraのレビュー・感想・評価

4.2
つい数年前にこんなことが起きていたなんて、全く知らなかった。
親ロシア派のヤヌコーヴィチ政権をついに打倒した市民の100万人規模の抗議運動。
その真っ只中にカメラが入って生々しい戦闘の様子を映し出す。

丸腰の市民をよってたかって執拗に鉄棒で殴りつけるベルクト(ウクライナ警察)の野蛮な行為!レミゼラブルの時代じゃなく、21世紀のつい最近起こったことなのかと信じられない思い。
市民が「ヤヌコーヴィチに従わないで!」と必死で訴えても、ベルクトたちはまるで感情のないロボットのように無表情で群衆を追いつめ、逃げまどう市民を狙い撃つ。

ウクライナの市民はそれでも屈しなかった。
自由と尊厳のために闘う。
命など惜しくない。
そうやって勝ち取った勝利。
いま、祖国を守るためウクライナに残る人たちの強い決意の背景には、こういう出来事があったんだと改めて知らしめられた。

事実はフィクションよりよっぽど怖い。
私たちに一体何ができるんだろうと、考えさせられる映画だった。
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