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卒業白書のKEiGOのレビュー・感想・評価

卒業白書(1983年製作の映画)
4.2
トム・クルーズマラソン!
逆ホーム・アローンというか裏ホーム・アローンというかそんなお話 笑
トムの初主演作でもあります。
若気の至りと言ってしまえばそれまでですが、とっても面白いストーリーでした!

まずは原題の『Risky Business』を『卒業白書』とした方のセンスに賞賛を。
逆にアメリカには80年代から高校生の起業コンテストの文化があるという点に、日米のカルチャーの違いを感じますね~。
原題ままの『リスキー・ビジネス』と題打って公開しても、日本ではあまりウケないだろうと危惧したんでしょう。そしてその空気感は約40年経った現在でも多分一緒だということも恐ろしい…。

真面目な話はさておき、触れずにはいられないのはトムがワイシャツ&ブリーフで"Old time Rock & Roll"を歌い踊るシーン!
いろんなとこでパロディされるくらいインパクト絶大なシーンでした。
これがトムのアイデアというんだから凄いですよね…笑

好きだったのは、学校に行きたいが何か物を盗まれるんじゃないかと不安なジョエルとラナのやり取り。
こう、男というのは自分の保身ばかり考えて、女の境遇を思いやれないものなのか。
それは世界共通なのか。
そんな苦い思いを感じながら観ていました笑
多分あそこでラナがかけてほしかった言葉はそれじゃないよね。
「盗人扱いってそんなに信用ないの…」と思っちゃいますよねー(勿論それまでの言動にも問題はありますが笑)

あとはプリンストンの面接官との会話。

Joel : ...There's one thing I've learned in all my years.
Sometimes you have to say, "What the fuck."
Make your move.
Lanna : So, how are we doing?
Joel : Looks like University of Illinois!

「こりゃ地元の大学(イリノイ大学)だわ!」ってときのトムの表情がもう最高っすねw
ま、違うしあわせを見つけられてる気はするけど笑

もう一つ好きだったのは、地下鉄の車窓から始まり地下鉄で終わる(果てる?笑)という構成。
なかなか粋で憎いですね!


また、本作はこちら[1]の考察にある通り、若さと性欲と金を描いた作品でもあります。
資本主義の矛盾にまで言及しているかは個人的にやや疑問ですが、それに近いところまで迫っていたのも確か。シンプルに込められたテーマが多くて面白いですね。


とにかくラナ役のレベッカ・デモーネイが魅力的だからこそ成立する物語でもあります。
撮影後しばらくトムとお付き合いしてたみたいですし、そういうとこもいいですね〜。


ちなみにみんな大好きトム走り!
今作では、後ろからver.とチャリンコver.を見ることができます笑


参考
[1] CINEMORE, 『卒業白書』トム・クルーズの光り輝く傑作は、ベルトルッチの『暗殺の森』を意識して作られた!?
https://cinemore.jp/jp/erudition/1558/article_1559_p1.html
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