トムヤムくん

10 クローバーフィールド・レーンのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

1.2
『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じ世界観を共有したスピンオフ的な作品。交通事故にあった女性が目が覚めると密室に監禁されていたという話。

ずっと昔からどうせハマらないだろうと思って見てなかった作品。友達に勧められて鑑賞。案の定、超絶つまらない。POVの前作が好きだった自分にとっては、屈辱でしかない。ひたすらイライラする。

まず序盤からおっさんに対するストレスがすごい。はぐらかすな。しっかり説明しろ。全てが回りくどい。リーダーとしての立ち回りも下手くそすぎる。ただ不満はそれだけで考え方や行動原理は共感できるし、理にかなっていると思った。実際外は危ないし、シェルターの方が安全なわけだから。

たた問題は主人公。恩知らずにもほどがある。マジで性格終わってる。いくらおっさんを怪しんでるとはいえ、流石におっさんが可哀想すぎる。なんでここまで拒絶するのか意味が分からなかった。自らの目でウイルスに感染した人を目撃してもなお、なぜ外に出たがるのか…。有難く住ませてもらえばいいのに。文句があるなら意見を提案するなりもう少し出来ることはあったはず。

そもそも外で怪獣が大暴れしているのをモキュメンタリー形式で一緒に体験するという超絶面白いアイデアの前作を、ただの密室劇にしてしまうという絶望的センス。前作で既に外には怪獣がいることをネタバレしているのに、なぜこれでいけると思ったのか不思議で仕方ない。

それに結局本作も外の世界に出てからが本番!って感じでラスト数分で畳み掛けるように盛り上がるから、なおさら密室シーンが不必要に感じる。それなら最初から外の世界を見せてほしかったという気持ちでいっぱいだった。もしかしたら『ミスト』的なものにしたかったのかもしれなけど、だとしたら作るシリーズを間違えている。『スパイダーマンNWH』に対する不快感と近い何かを感じた。

☆1.2にしたのは、ジョン・グッドマン大好きポイントです。彼のおかげで最後まで見れた。