Jimmy

テンションのJimmyのレビュー・感想・評価

テンション(1949年製作の映画)
4.3
これは面白いノワール映画だった!
久しぶりに、悪女らしい悪女を見て、「やはり悪女が出てこないとノワール映画は面白くならないな…」と思う。
本作の悪女はオードリー・トッター。

わがままな妻と献身的な夫だが、どんなに夫が働いて金を貯めて家を買おうとしても贅沢欲望の塊の妻は夫から離れて行く。それだけでなく、浮気相手まで作り、夫はその浮気相手に屈辱的な思いをさせられたことから「あの男(浮気相手)を殺してやろう!」と思って、完全犯罪の計画を立てるのだが……といった物語。


夫クインビーは夜間の薬局で地道に働く男、妻クレアは贅沢な生活に憧れて金持ち男のバーニーなる男と浮気を重ねて、とうとうバーニーのマリブの家に一緒に住み始める。
妻クレアは夫クインビーに「理想の男と出会ったから…」と言って出て行く。
バーニーの家に妻を迎えに行ったクインビーは、バーニーに殴られて屈辱的な思いを抱き、「あの男を殺す!」と考える。別人になるため、眼鏡をコンタクトレンズに変えて、名前もポール・サザーンと名乗るのだが、別人になろうとしてコンタクトレンズにするあたりは可愛らしい発想…(笑)
そしてクインビーは、週末だけ過ごす家を借りて、ポール・サザーンと名乗るが、隣人女性メアリーと恋に落ちる。すると、もう妻クレアはどうでもよくなってくる。そして、バーニーを殺すのもバカバカしくなって殺すのを止める。
しかし、バーニーは射殺されて、更にクレアまでクインビー宅へ戻ってくる…。
何がどうなっているのか?……そして、殺人事件の解決に向けて、後半は刑事たち目線でのドラマになる辺りが面白い。

オードリー・トッターの悪女ぶりは「いかにも」だが、週末部屋の隣人女性C・チャリシーはトッターとは対照的に可憐で清楚な雰囲気がナイス。
これは、あっという間の91分だが、内容盛りだくさんの傑作ノワール映画!
Jimmy

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