モノローグとともに輪ゴムのアップでパーン!"TENSION “ ジャジャーン!と勢いあるオープニング。悪妻役のオードリー・トッターが出てくるたびにお色気みたいなテーマ曲が入り、終盤の緊迫したシーンでも入るので笑ってしまう。グロリア・グレアムに寄せたようなビジュアルのオードリー・トッターが浮気性のいや〜なザ・悪妻でほんとに好い。贔屓のグロリア・グレアムがやったらよかったのにとも思うけどトッターも好い。
構成が巧みで、事件を折り返し地点として前後半で語りの主体が変わる。前半がうだつの上がらない薬剤師役のリチャード・ベースハート。後半が真犯人をどうお縄にするか画策する刑事役のバリー・サリヴァン。薬剤師のメガネマンがコンタクトレンズでイケてる男に「変身」して偽名を使い妻の浮気相手を殺そうとする無理設定。(メガネ取ると別人てのは70年代少女漫画だけど『スーパーマン』もだな)その設定ゆえに殺人事件の行方に複雑な面白さが増す。変身した方のベースハートと恋仲になるシド・チャリシーが美しかった。