hydrangea

天使の影のhydrangeaのレビュー・感想・評価

天使の影(1976年製作の映画)
3.5
椅子の座面に腹這いになってラジコンで遊ぶヒモ男ファスビンダーの精神の壊れっぷりが微笑ましい。貧しい2人の暮らす部屋の壁は漆喰で、古い木製のテーブルが素敵だ。くしゃくしゃのクラフト紙をどかすと、リリーが首を捻って殺した子猫の死体、死んでても可愛い。
車椅子を操るリリーの母さんは気丈な共産主義者で、元ナチ将校の父さんはドラアグクイーンの歌手。リリーを愛人にするユダヤ人は警察と手を組んだ地上げ屋的不動産成金。チビと呼ばれる男はフリークスっぽい大男。
チグハグな要素を、パズルを埋めるように、これでもかっていうくらい、詩的に美的に凝って作った映画だと思った。
hydrangea

hydrangea