FREDDY

ロープ/戦場の生命線のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

パウラ・ファリアスの小説『Dejarse Llover』をフェルナンド・レオン・デ・アラノア監督が映画化したドラマ作品である本作は、1995年、ユーゴスラビア紛争停戦直後のバルカン半島を舞台に、死体が投げ込まれ生活用水が汚染されてしまった、とある村の井戸へと派遣された国際活動家「国境なき水と衛生管理団」のマンブルゥらが、死体を引き上げるロープを探しに行く中で直面する民族紛争の不条理や、紛争地帯で援助を行う国際援助活動家の日常を描いたものとなっているのだが、まず触れたいのは、本作の謳い文句に"紛争地帯のありふれた一日"とあるが、これがありふれた一日であり、映し出されるものが"日常"であることには衝撃を受けましたし、死体を引き上げるロープを探すため、国際援助活動家のマンブルゥらが地雷が埋まっている危険地帯を車で走行する中で出会った現地の子供との交流や、表向きは停戦状態でありながらやはり紛争による悲劇が至る所で起きている現状、井戸の死体はおろかロープすらもすんなりと手に入らない様には考えさせられるものがあり、それでいてコメディタッチで描かれている点もまた印象的でしたし、本作は観る価値は大いにありましたね。"ロープを手に入れる"という単純な目的でありながらここまでのドラマが紡がれていることが何よりも面白かったですし、ベニチオ・デル・トロやティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコをはじめとしたキャスト陣もまたそれぞれに魅力的で、個人的には大好きな一作。面白かったです。
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