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シング・ストリート 未来へのうたのKtkTのレビュー・感想・評価

5.0
ジョン・カーニーの作品をシネコンの巨大スクリーンで観れたのが嬉してたまらない。
作品自体もどストライクの映画。そもそも親の影響もあって80'sロックとか大好きだし、ああいう青春映画とかも嫌いじゃない。
音楽に関してはさすがの一言で、バンドの曲は全部好きだし、挿入歌も殆ど知ってて楽しかったし、ラストのアダム・ラヴィーンも良かった。
今回は青春映画で、基本的には好きな女の子の気を惹くためにバンドを始めるって話だけど、裏では現在の環境からの脱却っていうテーマがあり、そこに関わる人間関係にも、サラっと流しながらも印象に残る良さがある。映画は終始現状と夢の二項対立の構造になっていて、そして主人公が純粋なまでに夢を追い求めてくれる。
『小さな恋のメロディ』が少し成長した感じの作品とも言える。ラストシーンなんかそっくりだけど、更に『小さな恋のメロディ』の旅立ちの要素に加えて、あの雨の演出を入れてくるとこが流石。映画としては終わりだけど、あの2人にとってはこれから勝負の始まりなわけで、決して綺麗な朝焼けのような旅立ちではなく、やっぱり嵐の中に飛び込んでいくようなものだし、雨一つでより深みが出てる。
他にも化粧のくだりとか、一つ一つの人間関係とか話すと長くなるような良いところがたくさんあるし、是非観るべき映画。
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