MASARUの痛風は経過観察

シング・ストリート 未来へのうたのMASARUの痛風は経過観察のレビュー・感想・評価

4.5
思ってたのといい意味で全然違った。
コレ、学園童貞モノなんですね。
オープニングでそれをガツンとかましてくれたので、すぐにこの映画が好きになった。

過去も現在も未来もクソだという視点があるのが素晴らしかった。

猛烈に好きなシーンがあった。
お母さんが縁側で夕方まで日向ぼっこをしているところを兄弟で見るシーンだ。
この時の主人公の表情は、この映画の最重要シーンではなかろうか。
こういうシーンがあるだけで、他の描写がファンタジックだったとしても、
この映画のことを絶対的に信用できる。

つまり、主人公は未来が明るいなんて1ミリも思っていないのだ。
ラストシーンで海が大荒れなのもそういうことだ(ベタだけど)。
だからこそ、「今、全力で輝け!」という刹那感が全編に漂っていた。
その刹那感が、後半の彼の異様なまでに大人びた表情に繋がっていると思った。
大人になることってそういうことなんですね、先輩!

あとこの映画、もっとわかりやすく言うと、
童貞が恋をしてフルパワーになること、失恋が芸術を生むということ、
って、トータル、みんな大好き桐島じゃないか!

はじまりのうたはいい映画だと思うけど、音楽の力がどうだとかうるせーなーっていう俺みたいなオッサン(ほとんどいないと思うけど)にも、
激オススメできる映画だった。