MASAYA

シング・ストリート 未来へのうたのMASAYAのレビュー・感想・評価

4.2
何て素晴らしい作品なのでしょうか。

大不況により経済的に苦しくなった両親が出した結論は息子を公立校に転校させることだった。
転校先の学校は風紀が乱れ荒れているだけでなく、教師もクズばかり。そんな所でいじめに遭うはめになった主人公のコナーは美しい少女ラフィナとの出会いをきっかけにバンドを始めることに...

転校、両親の離婚、いじめ、これでもかというドン底のなか“音楽”と、ラフィナという希望を見つけ、仲間と共に生きていく姿に素直に感動です。

歳上の女性ってただでさえ魅力的なのに、ルックスは完璧でその上謎めいた存在だなんて好きになってしまって当然なような気もします。振り向いてもらいたくて必死に努力する様子は微笑ましさ、懐かしさを感じる一方で、胸に沁みるものがあります。

またどうしてここまで多くの人の心を動かせるのかといえば、主人公を含めバンドのメンバーがスクールカーストでいう最下層に位置するという点ではないでしょうか。『ブレック・ファスト・クラブ』でも描かれているように、いじめっこだって悩みを抱えているし、辛い体験をしている。ただ強がっているだけという意味では同じくカーストの下の方なはずです。
歌ももちろん素敵ですが、そういうメンバー1人1人の背景などが心から応援したくなる気持ちを掻き立てるんだと思います。

個人的には好きだったキャラクターは兄のブレンダンですかね。弟に音楽を指南しする姿や、台詞やファッションなどは男前でカッコよかったです。いい奴すぎて憧れます。

ギグでのシーンでは気づけば涙が自然と頬をつたっていました。

自分もひたむきに頑張ろう思わせてくれるような、はたまた何かにチャレンジする勇気を与えてくれるような、そんな一作です。

Going up
She lights me up♪


8/10 シネマカリテ
12/23 飯田橋ギンレイホール
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