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ダゲレオタイプの女のmeltdownkoのレビュー・感想・評価

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.5
全体的なテイストとしては「回路」や「CURE」の頃を思い出すのだけど、ストーリーの展開はよりパーソナルな方向に向かっていて、どことなく古典文学の幽霊譚を思い起こさせるつくりになっている。フランスで撮ろうがやはり黒沢清は黒沢清なのであって、序盤から画面の片隅にあるドアがひとりでに開いたかと思えば、部屋の中に風は吹くし、半透明の遮蔽物は曖昧にはためく。階段落ちをはじめとして光るカットはところどころあれど、全体として個人的にノリ切れなかったのは、途中の男女の関係がやけに煮え切らないのと、あと単純に私の体調が最悪だっただけなのかもしれず、黒沢清が好きならとりあえず劇場に行けばいいと思った。
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