べんじん

ダゲレオタイプの女のべんじんのネタバレレビュー・内容・結末

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

トラストシネマ有楽町で鑑賞。
入り具合としては夜なのに割と多め。洋画だと思って見に来てる人も多そう。まあ洋画なのですが…

意外にも黒沢清監督の初海外進出作品で内容としては岸辺の旅に近いヒューマンドラマ。ホラー的な要素も入っており、特に最初のドアがひゅーっと開くシーンは個人的にとても面白かった。あー、この人こういうの好きだなと思いながらグッと入り込んだんだけど途中からなんだか集中力がきれてしまった。家を売却するという確固たる理由があったのが逆にそそられなかった。2人で一緒にいればそれだけでいいという彼女のセリフもなんだか裏がある気がしてしょうがなかったし、写真を撮るために拘束される彼女がおかしな人には見えなかった。

きっとあの池の中に沈んでいる。
それは彼女自身から受け入れた結果のように思える。そもそも階段から落ちた理由も心当たりがある訳ではなくなんだかとても気味が悪かった。でもこの気味の悪さや居心地の悪さ、なんとも言い切れない胸の高まりが最後のシーンに繋がった気がして、多少なりとも心打たれた。

写真の中に眠るというテーマは実像と虚像を表す上で効果的な設定だったが、何かがまだ足りない。
次は海外でホラーをとってほしいな。
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