日活ロマンポルノについての知識をほぼ持ち合わせていない私が、どんなものか試しに観てみようと、何の気なしに鑑賞した映画。
昭和のじっとりとした仄暗さ、洋館、美しき姉妹、耽美、といったイメージを表すようなモチーフが、ちょくちょく印象的かつメタ的に顔を出しつつ、濡れ場も幻想的なエロスという感じで、
フーン、まあこんな感じか…。
と思いつつ鑑賞をしていたが、表題のシーンを境目に、後半はイメージを繋ぎ合わせたような映像の連続、そしてクライマックスで花開くサイケデリア。
明らかな映像先行の展開。
サイケデリック耽美って初体験かも知れない。
所々、真剣なのか笑う所なのか判断に困るシュールなカットもあり。
音楽はチェンバロの音色に彩られたバロックかと思えば、盲目の旅芸人の唄う三味線の民謡(?)だったり、実に効果的に顔を出す。
ポルノ映画をベースにしつつ、アートフィルムとまではいかない、良いバランスの大衆性と芸術性は、ロマンポルノというもののファーストインプレッションとしては良いチョイスだったかも知れない。