りっく

グリーンルームのりっくのレビュー・感想・評価

グリーンルーム(2015年製作の映画)
3.8
冒頭から畑に突っ込んだ車を動かすためにガソリンを盗むことにより制裁決定なパンクロッカーたちが、ネオナチの巣窟であえてナチスファック!的な歌をシャウトし酷い目にあうという前半30分はお決まりのジャンルムービーである。

楽屋裏で殺人事件を目撃してしまったがために口封じされていく仲間たち。題名にもなっているグリーンルームに閉じ込められる恐怖と、閉じこもることでサバイバルルームとしても機能させる。

スキンヘッド頭のパトリックスチュアートの恐怖、「ドントブリーズ」に続きホントに怖い猛犬、その猛犬をマイクのノイズ音により撃退する発想、そして血飛沫や人体欠損描写も忘れない暴力。どれもが観客を引っ張る推進力として働く。

本作の先の読めない展開の妙は、郷に従えと言わんばかりに生き残ったパンクロッカーのカップルが、顔にメイクをし、男はスキンヘッドにし、ネオナチよりもさらに恐ろしい存在が誕生してしまうところであろう。愉快な映画だ。
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