MondeFilm

不滅の女のMondeFilmのレビュー・感想・評価

不滅の女(1963年製作の映画)
3.9
 名前だけは聞いたことあるアラン・ロブ・グリエ。何が良いって名前の語呂ですよね。に入る範囲の情報をかき集めてばかりいる。目に入ったサムネイルが印象的だったので。北野武映画のようなビジュアル。「わからない」の連発。ふさわしいのか曖昧な不穏な劇伴。場面転換の妙。一般的な映画体験とは別物。別の構造。ゆっくりと振り向くモチーフ。窓や隙間から覗く。ウー・ホン?劇。ノヴェンバー・ステップス。魅力的な映像からぼんやりと物語が導かれる。パッチワーク。インスピレーションをくれる。アカデミズムの傾斜が促す。中東世界に慣れていない。ストーリーのケーデンスやカタルシスはほとんどない。今となってはこのビジュアルを維持しつつ脚本的な面白さも保つ作品もあろう。快感を好意的に捉えるか?ミニマルテクノ、ハウスのDJと似たような体験。「常に少しづつ興奮する」。和声に興味があるからまだミシェル・ルグラン、ゴダールの方が好きかもしれない。かえって俺の好きな世界観が導き出される。登場人物が魅力的に思えない。暴力的にテーゼが示されるのも何だがここまで何もないのも難しい。映画のクリシェ否定が持て囃された時代の産物。否定。つまらない、面白くないのではなく、わからない。この不思議な感覚。言葉と文章一つ一つは理解できるのに。ビートニク、シュルレアリスム、パタフィジーク。別の世界へ。気が向いたらもう一回みます。
MondeFilm

MondeFilm