しゅん

ヨーロッパ横断特急のしゅんのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)
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ぼんやりとしたイメージだけど、ひたすら主観を排して描写するロブ=グリエ小説に対して、紛うことなき映像として現れる映画の場合は物質的リアリティを切り崩すかたちをとっているなという感想。カットの多さ、顔アップの連続、女の悶えと走る線路のモンタージュ、鏡の多用は全て現実を切り崩して心理に入り込む作用を生む。新聞雑誌の紙メディアのイメージ、パリ〜アントワープの二回の往復、砂糖とコカイン。反復が問題となることも明確だが、その問題系自体を今どう捉えればいいかわかりかねるというのも事実。結果最初のシークエンスにおいて映る電車を待つ子供が一番グッとくるみたいな感じになった。


吊り橋は処女小説『消しゴム』でも重要な役割を果たしていたので気になる。ヨーロッパ横断特急乗ったことあるの、見てる途中で思い出した。
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