ゾロ

THE PROMISE 君への誓いのゾロのレビュー・感想・評価

THE PROMISE 君への誓い(2016年製作の映画)
3.5
ホロコーストを知らない人はいないだろう
ナチス・ドイツによるユダヤ人への
大量虐殺(ジェノサイド)の事である
しかし、それよりも前にトルコ人による
アルメニア人へのジェノサイドがあった事を
知っている人は少ないだろう…
少しでも多くの人に知って欲しい歴史を
扱っているだけに、見てもらいたいが…

トルコもアルメニアも馴染みが薄い…
トルコとアルメニアの豆知識を文末に…

不条理な世界で殺されたアルメニア人や
三人のロマンスの物語だが、色々と惜しい…

バックグラウンドや列強の思惑が描かれず
アメリカの視点で捉えたジェノサイドは
ある意味、一方的な批判でもあり
トルコ側の意図も言い分も描かれない
(トルコがこの虐殺を認めていないから…)

三人のロマンスと一人の友情
命を救ってくれた恩人
持参金目当ての婚約と母の望む結婚
虐殺という極限世界の同一民族
アルメニア人としての運命的な出会い
民族を超えた熱い友情は国境も越える


感想というより、以下備忘録を記載

先ず、物語が始まる1914年の段階で
オスマン帝国は、かなり衰退していた
かつて欧州を脅かしていた帝国は
近代化に遅れた事で、列強に勝てず
領土をどんどん削られていた…
ビスマルク(ドイツ)の台頭により
トルコの外交はフランスからドイツに変更済み
ナショナリズムの台頭が、民族自決という
新しい機運となり、オスマン帝国には逆風
(映画:アラビアのロレンス)
アルメニア地区は対ロシアの最前線となり
スパイ行為と裏切り(内乱)は脅威
ドイツ側で参戦したが、戦争の指揮権は無し
オスマン帝国は、敗戦国となる

トルコ人は、西欧化をして洋装とトルコ帽子
(アルメニア人との区別としてわかりやすい)

プロテスタントのキャンプ地は
改宗する事で、救われた命もあったという
意味と思ったら、ちょっと違うみたい…
アルメニアはキリスト教からの分派で
独特のキリスト国教が存在するらしい…
(この辺は更なる学びが必要)

ヒトラー、スターリン、毛沢東
カンボジア、旧ユーゴスラビア
世界では多くのジェノサイドの歴史がある
本作は、オスマン・トルコ帝国崩壊に繋がった
第一次世界大戦中の1915年
トルコ人:エンヴェル・パシャによる
アルメニア人へのジェノサイド

1914.10.29 第一次世界大戦参戦
聖戦、スルタン、パシャ
国民国家、オスマン主義、トルコ主義

トルコ🇹🇷は、親日国家。
経緯に興味ある方は
【海難1980】という映画を観て欲しい
NATO加盟 EU非加盟
チューリップ🌷の発祥(飛行機のロゴ)
1299〜1922 600年のオスマン帝国が前身
植民地にされなかった国
2023年は、トルコ共和国建国100年

アルメニア🇦🇲は、旧ソ連の中で
最も小さく最も人口が少ない国
アルメニア人は、よくユダヤ人になぞられる
本土より、世界中に多くのアルメニア人がいる
(特にフランス、アメリカに多い)
頭が良く、商才に長けているだけでなく、
芸術にも長けているなどという共通点がある
国際的な高級ホテルグループのハイアットホテル&リゾーツはアルメニア系のグループ
(ハイ:アルメニアという意味)
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