このレビューはネタバレを含みます
自分に流れる血と、そこに反発したい心との間で揺れるエムレが見ていて切ない。
そこで出した答えと決着のやるせなさ。
一方で、慣れ親しんだ地から追い出され、オスマン帝国から存在自体を否定されるアルメニア人たちの絶望も伝わってくる。
冒頭で描かれる明るい暮らしから一変してしまった、未来の見えない日々は本当に辛い。
悲しみ、辛さに打ちのめされて生きることを諦めるか、アナのように「生きることで復讐する」と鼓舞するか。
個人的にアナはあまり好きになれない女性だったがこの台詞は響いた。
クリス、お酒に溺れてしまう節があるのかもしれないが、総合的にとてもいい男だと思う。
ミカエルは誠実な青年で、アナが惹かれてしまうのも分からないでもない。何より同じアルメニア人。
見ようによっては、アナはどちらにもいい顔をしている女性に見えてしまって、両男性が少し不憫に思えてしまった。
