HAYATO

スイス・アーミー・マンのHAYATOのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.8
2024年134本目
奇想天外な友情物語
遭難して無人島に漂着した青年・ハンクは、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体が打ち上げられているのを発見。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは、死体にまたがり無人島脱出を試みる。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(通称:ダニエルズ)の長編監督デビュー作
『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフがなんと死体役。その他、『プリズナーズ』のポール・ダノ、『ジェミニマン』のメアリー・エリザベス・ウィンステッドらが出演。
2016年サンダンス映画祭で最優秀監督賞を受賞したダニエルズの突出したビジュアルセンスと、MV制作の経験を活かした映像と音楽の融合が素晴らしい!下ネタ満載の内容は流石『エブエブ』を作った人達だって感じがする。マニーとハンクのくだらなすぎる掛け合いが非常に面白い。
一風変わったタイトルの造語は、死体のメニーが「スイスアーミーナイフ」のように様々な機能を備えていることに由来。生きる希望を失っていたハンクが、メニーのオナラが推進力になることに気づき、死体にまたがって大海原に乗り出すオープニングのシークエンスの躍動感とタイトルクレジットのタイミングが最高だ。
愛する女性・サラのもとを目指す冒険の良き相棒になっていくメニーは、冒頭で死のうとしていたハンクが求めていた「支え」そのもの。冒険を経て自分の人生を見つめ直し、「生きる喜び」を取り戻したハンクの姿を見てメニーもさぞ嬉しかったんじゃないかな。
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