ぐりこ

スイス・アーミー・マンのぐりこのネタバレレビュー・内容・結末

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

途中メニーが万能すぎてスマホの表現か?とか深読みしちゃったけど、全然違いました。
全部見終わった感想は「オチと感動があるコメディ」。

パニック映画の要素として、極限状態に陥ったときにどう行動するか、というのがあると思う。それでそれぞれのキャラが際立つけれど、
この主人公、最初の首吊ろうとするシーンから歌を歌っていて、陰キャだけど根本は実は極限状態を楽しめるタイプで、最初から生き延びる系のキャラ設定なのね。
で、そのとおり生き延びる。

途中の森の中でのバス作りやパーティは本当に楽しそうで最高。

そして故郷と森が近すぎるんだけど
あれ主人公が意図的に故郷から逃避してるってこともあるかもしれない。
わけのわからない映画だが
無人島の海が印象的なシーンから、森がメインに移行する部分から見て、
森に迷うのは童話の引用(流用)だろうから、陰キャの主人公の成長物語っていう主軸で合ってるんだろうけど、
なんせ強烈なダニエルラドクリフ(ハリーポッター)の有用的な死体が強烈すぎて。
笑えるしハートウォーミングだし意味不明だし結構好きな映画になってしまった。

常識に捉われず楽しく生きればいいんだよ
いぇーい(ダブルピース)
っていう映画
なのだけども
ラストシーンで社会の視点が(マスコミもわかりやすく)入ると、突然サイコホラー感が増すのよね。それが現実的で恐ろしい。
でも、最後のオナラでハリーポッターが去っていくシーンに、主人公の父親がにこって笑うシーンに救いがある。

タブーの研究者が、タブーは境界のないところに線をひいて、曖昧な部分に生じると言って排泄物は元々嫌悪の対象ではなく、社会的な知識を得て初めて排泄物は匂いも含めて嫌悪の対象になるって論じていたが、
この映画では最初からオナラを持ってきてタブーに切り込んでいる。
そういう意味で子どもの心を取り戻せる映画。
そう思ってたらラストシーンで子どもが出てきてめっちゃうなずけた。
そして案の定最後はオナラのシーンで子どもが爆笑してる。うおーとなった。
友人と感想話してて共感したのはこれは「クレヨンしんちゃん」です。笑

さすがA24作品。後味が悪くないA24作品。ごちそうさまでした。
ぐりこ

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