Hiii

パターソンのHiiiのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.9
私はジム・ジャームッシュの映画が好き。
もし、人に理由を聞かれてわかりやすく説明するならば、この作品を例に挙げるとおもう。(1番好きな作品とは別だけど)

ジムの作品は何気ない日常が愛おしくなるような描き方をしていて、何にも起こらないし特別じゃないけどそれが素敵で幸せなんだよって気付かせてくれるような、そんな価値観がすごく自分の中で大切にしてることと合ってて好き。この作品が人々の日常に一番近い"何気ない日常"を描いている。

パターソンという街のバス運転手パターソンは毎日同じ日々を過ごしていて、食べたくないものが出てきても恋人が部屋中を変な柄に変えちゃっても、Barで銃を持った人を取り押さえても、大切にしていたものを壊されても感情をあまり出さずに淡々と生きている穏やかな人。

多くを望まず今自分の周りにあるものを大切にしている。足るを知るという事が幸せの秘訣なのかな。

私が、40代半ばのマンネリ気味で悩んでる夫婦の友達の話を聞いた時にこの作品が浮かんだ。いくらでも感情をぶつけることはできるが失いたくないから何も言わない。
そんなことの繰り返しや葛藤は世の中に溢れている。

この作品の音楽やトーンは明るいものではなく、詩を読むときや少しトーンダウンして少し不穏な感じは自分自身で感情を穏やかにしたり葛藤する気持ちを表しているのかな?

永瀬さんのちょっと不思議な登場シーン
意外と重要でノートが良い✨
また日々を詩のように紡いでゆく。
平凡な日常の中に起きる小さな出来事を大切にしようと思う。

一度観ていたけど映画館で改めて観れて良かった。
Hiii

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