日々の営みって一分一秒同じことが続いている訳ではなくて、見かける人や聞こえてくる会話は違うし、時にはルーティンの間にトラブルや理不尽が挟まってきたりもする。
そんなどこの人間にでも当てはまるパターソンの日常は、全く同じ毎日なんて無いという尊さに気づかせてくれる。
映画っぽい事件を徹底して回避して日常が営まれていて、それでいて奥さんやワンコの行動でシュールを放り込んでくるのを忘れないのはジャームッシュ味か。
毎日の繰り返しから着想を得た詩が記されてノートと、これから記されていくまっしろなノートの対比が良い。
毎日が尊くてもそうでなくても肯定してくれてるような優しさがある。
肯定してくれるのが永瀬正敏なのもニクい。