キッチー

パターソンのキッチーのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
ニュージャージー州のバターソン市でバス運転手をしているパターソンさん(アダム・ドライバー)。1963年にピューリッツァー賞を受賞したウィリアム・カーロス・ウィリアムズという詩人の影響もあるのか、この地で詩を作ってはノートに残していた彼のゆるやかな日常を追っていく作品。

妻(ゴルシフテ・ファラハニ)の隣で目覚め、時計で時間を確認、シリアルを食べ、仕事に出掛けていく彼。穏やかに仕事をこなし、帰ってきてイングリッシュブルドッグのマーヴィンと散歩。途中、バーに立ち寄るのを日課にしている。そして妻との会話。同じような毎日、だけど同じ日は1日としてない。日常からインスピレーションを得て詩を作る人の繊細な感性が感じられます。

終盤、そんな彼にも心を挫かれることが起こりますが、散歩に出掛けて、言葉を交わした日本の詩人との出会いで、また一歩踏み出していくところ、いい感じでした。

特に大きな事件が起こる訳でもなく、淡々と進んでいく映画ですが、些細なことで、傷ついたり、癒されたり...
微妙な感情の揺れが感じられて、良かったです。

SWでカイロ・レンをやってるアダム・ドライバーが終始穏やか表情で素敵でした。そして、突然登場した永瀬正敏さんの落ち着いた演技も良かったですね~。

傾いたポストを直すパターソンさん、ポストを傾けるマーヴィン...笑えました。
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