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七月のランデヴーのMaoryuのレビュー・感想・評価

七月のランデヴー(1949年製作の映画)
3.9
1949年のパリ。冒険家を志すリュシアン(ダニエル・ジェラン)、定職なくトランペットを吹くロジェ(モーリス・ロネ)、役者を目指すテレーズ(ブリジット・オーベール)とクリスティーヌ(ニコル・クルーセル)とその仲間たちが愛し合い憎しみ合い、日々を楽しみながら夢を追う物語。

「肉体の冠」や「現金に手を出すな」のジャック・ベッケル監督が、戦後の復興したパリに生きる若者たちを描いた青春群像劇だ。
すぐに思い出した「セント・エルモス・ファイヤー」ほどドラマティックな事件は起きないものの、間違いなく本作が源流になってるし、時代の雰囲気が絶妙に伝わってくる。アリー・シーディの立ち位置だろうか、ブリジット・オーベールがとても活き活きと可愛いかった。
こういう、わちゃわちゃと若者の恋愛や夢を等身大で見せてくれる映画はけっこう好きだ。

野望、片想い、嫉妬、親への反発というありがちな題材をギュッと詰め込んでいて、“何もしなければ俺たちは消えちまう!” ってクサくてアツいセリフが違和感なくハマってた。
親世代との軋轢がもっと語られても良かったかな。

ハッピーなようで、実はそんなことはないエンディングには、夢を追うことの難しさや人間関係の儚さ、古い時代への決別が込められてるように感じた。

一番のインパクトは水陸両用車!
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