アルゼンチンタンゴの歴史に残る伝説のペア。
マリア・ニエベスとファン・コペス。
現役のタンゴダンサーによる回想シーンも交えながら、実際の2人から語られる言葉。
マリア・ニエベス。
チャーミングな表情と立ち姿は、とても80才とは思えない。
タンゴを踊る時の炎のように燃える情熱と水のような冷静さ。
少女のような純粋で無垢な眼差しと人生の苦楽を呑み込んだ遠くを見るような達観した眼差し。
子供を持ち夫に頼るような普通の家庭に対する憧れと誰にも頼らない自立した女性としての生き方。
そして、ファンに対する愛と憎しみ。
岡本太郎が言った「芸術は爆発だ」
その通りだ。
内に秘める相反するものが混ざり合い、爆発する時。
私達は、マリアから目を離す事が出来ない。
クールストラッティンのジャケを思い出させる膝下の美しい曲線とステップ…
官能的でありながらも芸術として昇華された美しさ。
インタビュー中でも、溢れる感情のままに語るマリアの言葉が胸を打つ。
ファンのダンサー、コンポーザーとしての力も凄いのだろうが…
やはり、マリアの生き様に目を奪われてしまいますね。
まあ、これほどバイタリティーのある女性ですから一緒に生活する厳しさもわからないではないです。
一生、現役でいつづけようとするマリアとファン。
タンゴに人生の全てを注ぎ込んだ2人。
その共通する思いがあるからこそ、長くペアでいられたのだろう。
彩る音楽とダンスの素晴らしさ。
久しぶりにアストル・ピアソラを聴きながらレビュー書いてます♪
マリア、あなたは偉大だ。
